無添加&防腐剤フリーの落とし穴
最近よく聞く「無添加化粧品」「防腐剤フリー」という商品。
この言葉をそのまま
「添加物がなにも入っていない」「防腐剤が一切入っていない」
と受け取ってしまうのは、実は大きな間違いなのです。
一般にはあまり知られていないこの「無添加」「防腐剤フリー」に潜む落とし穴をお教えします。
「そもそも無添加って?」
無添加という言葉を聞くと「余計なものが何も入っていない」というイメージになりますが、
そもそも無添加の基準とは何なのか、何が入っていないと無添加になるのでしょうか。
1980年に国が「化粧品に配合する場合、表記しなければいけない」と定めた成分があります。
その後2001年に、化粧品に含まれるすべての成分の表示が義務付けられたので、
それらの成分は
「旧表示指定成分」といわれるようになりました。
現在の法律上、
この「旧表示指定成分」が配合されていなければ「無添加」商品となります。
「無添加の落とし穴」
旧表示指定成分は102種類あります。化粧品などに含まれる成分に
この102種類の成分が入ってなければその商品は無添加となります。
しかし、いま現在化粧品に使用される可能性のある旧表示指定成分以外の
化学成分が何種類あるのかというと、約3,000種類あります。
つまり、
旧表示指定成分102種類の添加物が入ってなければ、他の3,000種類もの化学成分がたとえ全て入っていてもその商品は「無添加」商品になってしまうのです。
「防腐剤フリーって?」
防腐剤とは、商品の保存性を高めるために配合される添加物で、
雑菌が中で繁殖しないよう防ぐ効果や商品の腐敗などの劣化を防ぐ効果があります。
有名な防腐剤のひとつとしてパラベンがあります。
このパラベンはごく少量で防腐効果があるので、かなり多くの商品に使用されています。
パラベン以外の防腐剤としてフェノキシエタノールがあります。
こちらもごく少量で防腐効果があるので、様々な化粧品等に使用されています。
このような防腐剤が配合されていないものが「防腐剤フリー」と呼ばれます。
「防腐剤フリーの落とし穴」
では防腐剤が入っていない「防腐剤フリー」のものの商品劣化を防ぐために
どのような方法がとられているのかというと、
「抗菌効果のある防腐剤以外の添加物を配合する」という方法です。
BG、プロバンジオールといった防腐効果のある保湿剤を防腐剤代わりに配合しています。
この防腐剤代わりの添加物は防腐剤のように強い殺菌力がないため、
効果を得るために防腐剤の10倍以上の量を配合する必要があります。
しかし、添加物の量としては防腐剤以上の量が配合されていますが、
防腐剤が入っていないためその商品は「防腐剤フリー」となってしまうのです。
「自分の目で商品をしっかり見極めることが大切」
販売側の商品メーカーとしては、決して違法な表現はしていませんし、
うまく言葉を使って消費者の関心を引き付け、
なるべく購買意欲を湧かせる表現をするのは当然のことです。
しかし、
添加物や防腐剤を配合していないからといって、必ずしも肌に良い商品だとは限りません。むしろその効果を得るために、肌に決して良いとはいえない成分や分量が配合されている
可能性だってあるのです。
そしてどんな成分なら肌に良いかは人それぞれで一概には言えません。
ほんの数%の防腐剤に反応する人もいれば、まったく問題なく使い続ける人もいます。
自分の肌にはどんなものが合うのかを一番よくわかっているのは自分自身に他なりません。
現在は商品の全成分を表記するよう義務付けられ、
使われている成分を確認することができるようになっています。
大切なのは、メーカーの宣伝文句に囚われることなく、
それぞれのメーカーがどのような安全方針で商品を展開しているのか、
自分の肌にその商品はどんな効果があるかを自分の目で見極め、商品を選ぶことです。