添加物は危険?気にしすぎ?食品添加物との付き合い方

添加物は危険? それとも気にしすぎ?
子育て世代は特に気になる、食品添加物との付き合い方

毎日の食事作りは大変ですね。

 特に妊娠中や授乳中は、お母さんの栄養がそのまま赤ちゃんに影響し、さらに幼少期の
食習慣が後々食物アレルギーの原因になることも懸念されているので、子育て中の家庭で
は食材選びや食事作りにも神経を遣っていることでしょう。

加えて子どもの食育の面からも、なるべく健康に良い食品を選ぶことや、子ども自身が自然に触れて食材を意識し、大切に扱う重要性も指摘されていますね。

栄養摂取の一方で、気になるのは多くの食品に含まれている食品添加物です。

よく耳にするのは食品添加物がアレルギーやがんの原因となるという話で、実際は詳しく解明されていないようですが、発がん性物質と指摘されていることも事実。
天然由来のものもありますが、問題は大半が化学的に合成された物質という点です。

他にも気になるのは食品添加物の危険性だけではなく、体内摂取後に食品添加物と体内物質が反応して、何らかの違和感や病気へと発展することも懸念されます。

また食物アレルギーで悩む方は年々増加傾向にあり、原因物質アレルゲンを口にすると唇・口の周辺・顔に腫れや発疹が見られ、かゆみを伴うこともあります。

深刻な場合は血圧低下・気道の違和感・呼吸困難・意識障害を発症する
アナフィラキシーショックに陥ることも。

この症状は突然に起こり得るので、重い食物アレルギー体質の方は早めに医師に相談し、
※1エピペンを処方してもらうことも可能です。 

食生活は命に関わる問題なので、食品や食品添加物に関する情報を吟味することが重要ですね。

※1エピペンとは、食物アレルギーやハチに刺されてアナフィラキシーショックに陥った際、緊急でショックを和らげ、進行を防ぐ働きをする補助治療薬(アドレナリン自己注射約)。
太めのステック状で、患者自身が太ももに注射すると10~20分程度有効、医師の診断までの緩和剤です。
エピペンについての詳細は下記ファイザー社のサイトにて。
http://www.epipen.jp/top.html

食品添加物の専門家の意見としては、重要なのは摂取量

日本では食の安全のために、国の取り組みとしてさまざまなチェックや厳しい検査を実施しています。
そのため通常摂取する分には問題ないとの見解が多いようです。

ここではよく健康に悪いといわれることが多い食品添加物と、その付き合い方について詳しく見て行きましょう。

◆そもそも食品添加物とは?

食品には原材料となる食材の他、製造・加工の時に見た目や風味を整えるために色々な調味料が使用されています。

主な食品添加物について見てみますと、下記のように色々な役割があります。

  • 1 甘味料…食品に甘みをつける働き。主に化学的に合成された人口甘味料が多いです。
  • 例➡砂糖の約200倍の甘みがあり、ダイエットシュガーとも呼ばれるアスパルテーム
    や、砂糖の600倍の甘さでもカロリーゼロのスクラロースがあります。

    危険性➡アステルパームは摂取すると頭痛やめまい、脳腫瘍の可能性や他にも多数の症例が報告されており、スクラロースはカロリーゼロでも血糖値が上がるとの説もあります。
    また現在サッカリンは使用可能となっていますが、かつて発がん性物質として使用禁止になったことがあります。

  • 2  着色料…見た目をきれいに仕上げて食欲を促進する働き。
  • 例➡ソースやしょうゆ、ビールに使用されているカラメル色素(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)、植
    物から抽出したクチナシ色素など。

    危険性➡カラメル色素Ⅰは糖類を煮詰めて作る昔からの手法ですが、他のⅡ~Ⅳには
    化学物質を使用。Ⅱには亜硫酸など、Ⅲ・Ⅳにはアンモニウム化合物を使用していて、
    危険との説あり。

  • 3  発色剤…食品の酸化を抑えて見た目をきれいなピンク色に保ち、食欲を促すための働きと保存料としての働き。
  • 例➡ハムやソーセージ、タラコ、イクラ、スジコなど使用品目は限定されていて、生鮮食肉や鮮魚介類での使用は禁止。主な成分は亜硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム。
    保存料の役割として、ボツリヌス菌の増殖を抑制し、食中毒を防ぎます。

    危険性➡発色剤に含まれる亜硝酸ナトリウムは肉・魚のアミノ酸に反応するとがんを
    発症する可能性が指摘されています。

  • 4 漂白剤…食品の色を取り除き、見た目を美しく鮮やかにする働き。
  • 例➡かんぴょう、煮豆、ドライフルーツ(ホシブドウを除く)などに使用され、主な
    成分はワインの酸化防止としても使用される亜硫酸ナトリウム、数の子やうどんに使用される過酸化水素などです。
    シラスの体内には元々ごく少量の過酸化水素成分が含まれていることが分かっています。

    危険性➡亜硫酸ナトリウムはアレルギーや発がん性物質との見解もあります。

    便利なカット済の野菜には漂白剤としてではなく殺菌剤として亜塩素酸ナトリウムが
    使用されています。ただし完成までには除去されるため、表示免除となって記載されていません。

  • 5 保存料・日持向上剤・酸化防止剤…食品の品質を保ち長持ちさせる、酸化を防ぐ働き。
  • 例➡ワインや漬物、コンビニ弁当やお惣菜、他多数、賞味期限にゆとりがある製品に使用されています。
    主なものはソルビン酸カリウム・ソルビン酸ナトリウム・安息香酸・安息香酸ナトリウムなどが使用されています。

    注目したいのは、セブンイレブンのおにぎり・弁当・お惣菜・麺類などには保存料や合成着色料を使用していないそうです。

    危険性➡保存料の成分のソルビン酸は、遺伝子に異常を与える可能性が指摘されています。
    他の物質も懸念材料があり、健康に悪影響を与える可能性は払拭できません。

  • 6 増粘安定剤…主にゼリーのようにゲル状に固める・とろみや粘り気を出すといった食感などの食品の品質を上げる働きと食品全体をまとめて安定させる働き。
  • 例➡ぷるんとした食感のゼリー・プリン、ハム・ソーセージ、かまぼこなどに使用さ
    れています。
    昆布の仲間から抽出したアルギン酸、アルギン酸アンモニウム、寒天やイチゴなどの果実由来のペクチンも使用されています。

    危険性➡成分のカラギナンは海藻由来ですが、がんの原因や胃腸に悪い影響が出ると
    の報告もあり、天然成分でも過信は禁物ですね。

  • 7 乳化剤…食材同士を円滑に混ぜ合わせる働き。
  • 例➡アイスクリームやケーキ、生クリームなど、油分と水分を滑らかに混ぜ合わせるため使用されています。主な成分はグリセリン脂肪酸エステルなど。
    乳化剤は天然と合成の2種類があります。

    危険性➡植物レシチンは大豆やナタネから作られるため、大豆アレルギーの方は注意が必要です。

    乳化剤は食品表示法で添加物表示の例外が適用となり、個々の原材料明記が免除され、乳化剤とだけ記載しているケースがほとんど。
    アレルギーや持病がある方は確認した上で摂取するようにした方がよいでしょう。

  • 8  膨張剤・結着剤・凝固剤…原材料を固めたり、結合させたり食品加工・製造に使用される働き。
  • 例➡ベーキングパウダーとして知られ、ホットケーキや焼き菓子をふんわり膨らませる時に使用される炭酸水素ナトリウム(重曹)や、豆腐の凝固剤などに使用されるグルコノデルタラクトンが使用されます。

    危険性➡極端に多量摂取すれば仕上がりが悪くなることもあり、適量を使用する分には特に健康被害を心配する必要はなさそうです。

  • 9 調味料…味を調える働き。
  • 例➡味の素で知られる旨み成分は本来L-グルタミン酸ナトリウムですが、調味料(アミノ酸)と表記されています。
    他にはかつお節、煮干しなどに含まれる旨み成分イノシン酸ニナトリウムがあります。

    合成化合物と認識されますが、昆布のだしから抽出した成分と同じです。

    危険性➡現在のところ公に危険性は発表されていませんが、
    ※2『買ってはいけない調味料 買ってもいい調味料』(渡辺雄二氏著作)では次のような見解です。

    L-グルタミン酸ナトリウムはもともと昆布の成分と同じなので毒性はないのですが、一度に大量に摂取すると、腸での吸収が素早く、人によっては顔から腕への辺りに熱さやしびれ、動悸、全身の倦怠感を訴える場合もあるようです。

    他の専門家も指摘する心配な点は、味の素の成分がナトリウムつまりほとんど塩分のため、多量に摂取すると高血圧や動脈硬化が懸念されます。
    そのため心臓や脳の血管が原因で発症する病気になる可能性も高くなります。

    特に妊婦・授乳中の方や、離乳食中の乳幼児の食事では、塩分を控えるよう注意されているはずです。
    さらに食育のためやアレルギーの影響も否定できないので、ある程度成長するまでは食品の塩を利用し、食品添加物の摂取はなるべく控えた方がよいでしょう。

    ※2 【出典】『買ってはいけない調味料 買ってもいい調味料』著者・渡辺雄二氏

    公に危険性は発表されていませんが、成分のほとんどが塩分であるため、かけ過ぎると「濃い味」になれてしまいます。
    いわゆる味覚障害のような感じです。

    何にでもかけている方は「素材本来の味」がわからない舌になる恐れがあるため注意が必要かと思います。

  • 10 香料・苦味料・酸味料…味や香りをよくする働き。
  • 例➡コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインやクエン酸など。

    危険性➡適量を摂取する分には特にカフェインは興奮状態にするので、寝る前に摂取すると眠れなくなり、依存性もあるので、気をつけた方よいでしょう。
    特にコーヒーは依存性が懸念されていて、適量は1日2杯ぐらい。

    一度にカフェイン入りの栄養ドリンクを大量摂取し死者が出たことがあり、注意が必要です。

  • 11 栄養強化剤…足りない栄養を補給するために使用される働き。
  • 例➡栄養ドリンクやお菓子などに使用されます。
    アミノ酸と表示されるL―メチオニン、ミネラルと表示されるクエン酸カルシウムが、あります。カフェインが使用されている場合もあり、注意が必要です。

    危険性➡含有成分にもよりますが、どの成分でも一度に大量摂取すると危険です。
    以前エナジードリンクを1日に2本飲んだ方が、カフェインの過剰摂取で死亡したケースがありました。

    このように食品添加物は商品の用途に応じて使い分けられています。
    消費者が食品の安全性を確認して選べるルールもあり、特に2015年4月1日からは法律も分かりやすく改善して「食品表示法」として施行、表示は義務化されました。
    そのため食品のパッケージの裏や端には、原材料と区別して食品添加物の詳細や栄養成分などの情報が記載されているはずです。
    食材の情報を知る手がかりになりますので、乳幼児や子どものいる家庭では体調管理のためにも確認してから購入した方がよいでしょう。

    【出典】厚生労働省HP、消費者庁HP、東京都福祉保健局HP。
    【参考文献】『食品添加物キャラクター図鑑』 監修左巻健男氏
          『食品添加物 ほんとうの話』 著者・三輪操氏

    続きはこちら⇒健康に悪い?それとも食中毒から守る? 食品添加物の働きについて

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