既存添加物とは?

安全の取り消しが相次ぐ既存添加物

添加物を食品衛生法上で分類したときの1つに既存添加物というカテゴリーがあります。これは、これまで習慣的に使用されていて、危険性の低いもののことです。既存添加物は、食品安全委員会が順次科学検査に基づく評価が行われており、その結果、安全性の確認がとれなかったり、使用実績がなかったりしたものは積極的に削除されています。

1998年。既存添加物489品目のうち、139品目に速やかな調査が求められました。その後、調査・研究が繰り返され、何度かにわたり使用実績のない物質が削除され、2011年5月6日現在では365品目が既存添加物名簿に収載されています。

十数年の間に120品目もの物質が、安全という実績がないと見なされ削除されているのです。言い換えれば、10年前は人が平然と摂取していたものが、実は危険だったということです。この事実を、あなたはどのように感じますか。現在、既存添加物とされているものの中にも、今後削除されるであろう物質が含まれているといってもおかしくはないですよね。安心・安全を求め、健康を意識する方にとっては恐怖を感じるはずです。

事例に学ぶ、既存添加物の恐怖

「アカネ色素」は既存添加物として認可され、着色料として使用されていました。1997年にラットを用いた中期発がん性試験で発がん性なしとの結果が得られていたにも関わらず、2004年の長期発がん性試験で胃ガンの発生が見られ、また変異原性も陽性であり、遺伝的障害の危険もあったことから食品添加物としての使用は禁止されました。

消費者は受け身でしかいられないのだろうか

このように、以前は問題とされていなかった物質でも、試験方法や技術の進化によって新たに危険因子が発見されることがあるのです。国が安全と定めていたから安心して食べていたのに、ある日突然「危険だったから食べてはいけない」と言われてしまうのです。
最新の既存添加物名簿に収載されている物質の中にも、危険性があると報告されている物質があります。例えば、増粘多糖類である「カラギーナン」は、ドレッシングやスープ、ゼリーなどに使用されている天然の食品添加物です。

現在のところカラギーナンには人に害するようなことはないとされていますが、カラギーナンを用いた動物実験では、脱毛の症状や下痢や血便など腸に何らかの悪影響を及ぼしているとされるような結果が出ています。

また、1999年に認可された甘味料「スクラソース」は、ダイエットやデザートによく使用されていますが、この物質はとても分解されにくく、体内で蓄積されたときの影響はまだ分かっていません。このように、人体への影響が未確認のものもあります。

「天然だから安全」ではない!

既存添加物は、以前から「天然添加物」とも呼ばれています。天然と聞くと、安全なイメージをもちがちですが、そもそも添加物としての安全性の実績がないのですから、安易に安心してしまうのはやめましょう。インターネットなどで、危険の疑いがある物質を調べることは簡単です。自分の健康を守るために、情報を収集して、国が認めて削除する前から摂取を控えることをおすすめします。

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