天然の添加物とは
天然・自然って美しい?
「天然」からイメージされるのは森や川などの自然。反対語として思い浮かぶものは、「合成」「化学」といったところでしょうか。
言葉の響きから「天然添加物」は安全というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、そのイメージを持ち続けることは大変危険です。なぜなら、食品添加物における「天然」には動植物の他に鉱物も含まれているからです。
2つの天然添加物
天然添加物は、本来は食品であるが添加物として使われているものと、自然界にあるものをそのまま利用したり有効成分だけを抽出したりしたものがあります。
つまり天然添加物には「食品(人が口にするもの)から作られたもの」と、「食品以外(そのままでは人が口にすることがないもの)から作られたもの」の2種類があるのです。
時に自然は人間を裏切る
「食品(人が口にするもの)から作られたもの」とはオレンジ色素やカカオ色素などです。
名称からも分かるように、原材料は我々が普段食べている食品です。
オレンジの汁が衣服に付着するとオレンジ色に染まりますし、ニンジンを包丁で切るとまな板がオレンジ色になります。
これが色素として利用されているのです。自然って素晴らしいと感銘を受けるものの、その反対に不安を煽る物質もあります。
例えば甘味料として使われる甘草は過剰摂取すると副作用があることが分かっています。
中でも高血圧症が有名で、子供や妊婦・授乳中の方は注意が必要とされています。
あなたは昆虫食べられますか?
「食品以外(そのままでは人が口にすることがないもの)から作られたもの」には動物、植物、そして鉱物が原料となっているものがあります。
驚くことにアルミニウムなども含まれているのです。アルミニウム化合物は、膨張剤・色止め剤・形状安定剤・品質安定剤・着色料として使用されています。
また昆虫由来の天然色素であるコチニール色素も含まれます。
これは平成24年に急性アレルギー症状を引き起こす可能性があるとして消費者庁から注意喚起が出されています。
天然添加物の恐れる部分は、この「食品以外から作られたもの」にあります。
害の有無に関わらず、アルミニウムや昆虫を食べていると考えただけで、気持ち悪いものです。
ですが、実際に食用として厚生労働省に認可されている物質なのです。
添加物を支える曖昧な安全性の落とし穴
天然添加物は、厚生労働省が認可しているもので489品目あります。
しかし、動物実験で安全性が確立されていないものが多数あります。「天然に存在するものだから安全」という先入観から認可されたものが、そのまま残ってしまっているためです。
人間の持つ先入観や、「今まで大丈夫だったから」といった曖昧な理由から安全の確証が得られていない食品添加物を使用した食品が出回ってしまっているのが現状です。
何を信じていいのか、もはや分からないですよね。自ら食品を見極め、自分自身の健康を守ってくことでしか、現在の日本で「安全」はつかめないのかもしれません。