輸入食品と添加物について
日本の食卓の現状と問題点
現在日本は、カロリーベース(1年間に消費される食糧の全カロリー量で産出される割合)でみると約60%を海外から輸入される食品に依存しています。
輸入食品無くして、我々の食生活は成り立たないものとなっています。
食品添加物は国によって使用を許可されている種類や量が異なります。
日本では禁止されているけれど海外では認められている物質もあります。また、食品添加物の表示に関しても、各国で設けているルールが異なります。
使用する量によって日本では表示されている添加物が、海外では義務化されておらず表示されていない場合もあります。
このように、食品添加物の取り扱い方にズレがある海外の食品を扱う際には、細心の注意が必要になります。
国産の食品が持つ「安全性」を日本の基準で判断してはいけません。
国が行う検査の盲点
もちろん、海外の食品は、国が行う検疫所での書類検査や抜き取り検査を経て、安全性が確認されたものだけが市場に流通することになっています。
問題があったものは市場に出回ることはありません。ですが、大量に輸入される食品のうち、検疫所で検査をされるのは10%程度です。
食品全量の1割が検査をパスすれば、その食品は全て安全なものと見なされ、残りの9割は無検査で輸入されているのも事実です。
2000年代に入り、食品衛生法に違反する輸入品の残留農薬や食物添加物の問題がたびたび報じられています。
これは無検査で輸入された9割に潜んでいたと考えれば、確かな検査を実施しているという国に対して、消費者の不信感は強まるばかりです。
製造過程で使用されていても、最終食品中に残っていなければ表示されない食品添加物もあります。
国産の食品に、私たちが知らない物質が含まれている恐れも大いに考えられます。
確証のもてない安全性の脅威
輸入柑橘類・果物などに利用されている防カビ剤「チアベンダゾール」はポスト・ハーベスト農薬です。
非常に危険性が高く、発がん性が認められています。日本では、収穫後のポスト・ハーベスト農薬の使用は禁止されているため、輸入の際にはTBZやOPPの使用を認めています。
しかし、TBZには発がん性・変異原性・染色体異常、OPPには動物実験で死亡例がでていたり催奇性の疑いがあったりと、安全性の確証はありません。
ポスト・ハーベスト農薬の代替えとして、このような物質の使用が認められているという明らかに矛盾しているのです。
我々が今後抱えなければならない課題
このような実態を知ると、日本が安全と認める基準というものすら信用できなくなってしまいます。
そして、今後TPPへの参加が進めば食品添加物の規制緩和によって食の安全性は更に脅かされていくでしょう。
我々を取り巻く食品の危険性から健康を守るには、私たち自身で行動を起こさなければいけないのです。